大切な犬ちゃんが突然ぐったりしたり、いつもと様子がまるで違ったりすると、飼い主様は頭が真っ白になってしまうものです。しかも老犬の場合は、持病があったり、複数の薬を服用していたりと、体の状態が若い犬とは大きく異なります。
また老犬の場合、典型的な症状として現れないことも多く、「大丈夫かな」と様子を見ているうちに状態が進んでしまうことも。
「いつもと違う」という感覚は、飼い主様にしか気づけない大切なサインです。自己判断で様子を見るのではなく、少しでも不安を感じたら、まずかかりつけの動物病院へ電話で相談してください。受診前の一本の電話が、到着後の処置をスムーズにしてくれることもあります※1。
まず確認|すぐに動物病院へ連絡したい危険な状態⚠️

以下のいずれかに当てはまる場合は、記事を読み進めるよりも先に動物病院へ連絡してください。
受診の緊急度を考える3段階
老犬の場合、わかりやすい典型的な症状として現れないことも多く、一見元気そうに見えても状態が進んでいることがあります。時間や数値だけで判断するのではなく、飼い主様が感じる愛犬の「なんかいつもと違う」という感覚を大切にしてください。

迷ったときは電話一本でいいワン🐾
獣医師さんに今の状態を伝えて、指示を仰いでくださいワン※1🐾
⚠️ 直ちに病院へ連絡
- 意識がない・呼びかけに無反応
- けいれんが止まらない・繰り返している
- 呼吸が苦しそう(口を開けた呼吸・起座呼吸など)
- 歯茎や舌が白い・青紫になっている
- 激しい出血が止まらない
- 熱中症が疑われる(高体温・ぐったり・ふらつき)
- お腹が急に膨れて吐けない
- 尿がまったく出ない
- 有害なものを食べた・なめた可能性がある
💡 当日中に相談
- 歯茎の色はピンクだが元気がなくぐったりしている
- 足を着けないが意識はある
- 嘔吐や下痢を繰り返しているが水は飲んでいる
- いつもと様子が違うが、具体的にどこが悪いかわからない
※悪化していないか迷う場合も、電話で状況を伝えて獣医師の判断を仰いでください。
📋 主治医の指示を受けて記録
- 食欲がやや落ちているが水は飲んでいて呼吸も安定している
- 一度だけ嘔吐したがその後は普段通り動いている
※ただし、症状が続く・新たな変化が加わる場合はすぐに動物病院へ連絡してください。
急な体調変化が起きたときの共通対応🔖

緊急事態では、まず飼い主様自身が落ち着くことが最初の一歩です。焦ってしまうのは、愛犬への心配が大きいからこそだと思いますが、冷静に行動することが犬ちゃんを守ることにつながります。
安静を保つ🛏️
無理に立たせたり、興奮させたりせず、犬ちゃんができるだけ楽な姿勢でいられる場所を確保してください。骨折や頭部外傷が疑われる場合は、患部を必要以上に動かさないよう注意します。落ち着いたら呼吸の様子を確認してください。平常の安静時の呼吸数は1分間に10〜30回が目安です※2。
人間用の薬・食べ物を与えない🙅♂️
解熱鎮痛剤などの人間用の薬は、犬にとって深刻な副作用を引き起こすことがあります※3。市販の栄養剤やサプリメントも同様に、獣医師の指示なく与えることは避けてください。
また、意識が低下している犬ちゃんに水や食べ物を無理に与えると、誤って気道に入ってしまう(誤嚥)リスクがあります。
熱中症が疑われる場合は冷やしながら病院へ🧊
濡れタオルを首や脇、太ももの付け根にあて、風を送りながら病院へ向かってください※4。冷やしすぎには注意が必要です。熱中症以外の急変では、勝手に体を冷やしたり温めたりするのは避けて、まずは電話で獣医師の指示を仰いでください。
発症状況を記録する・動画を撮る📱
症状が始まった時刻と、その後どのくらい続いているかを確認しておいてください。けいれんや失神などの場合、犬ちゃんの安全を確保したうえで動画を撮っておくと、獣医師が状態を把握する大きな助けになります※5。
症状別|受診前に確認しておきたいポイント✅

症状ごとに、受診前に観察しておくと診察がスムーズになるポイントをまとめました。
呼吸が早い・息が荒い
安静にしていても呼吸が速い、胸やお腹を大きく動かしている、首を伸ばして呼吸している場合は、呼吸の状態を確認します。胸やお腹の動き(上下で1回)を15秒間数えて4倍にすると確認できます。安静時の呼吸数は1分間に10〜30回が目安です※2。
呼吸数のほか、呼吸の姿勢、歯茎の色、いつから始まったかを記録しておきましょう。
📖呼吸の異変や受診目安はこちらの記事で詳しく解説しています😮💨🏥
けいれんしている
体が硬くなる、手足を繰り返し動かす、呼びかけに反応しないといった発作が起きたら、まず発作の開始時刻と続いた時間を確認します。犬ちゃんの顔周りに触れたり、口の中に手や物を入れたりしないようにしてください。安全な距離から動画を撮っておくと診断の大きな助けになります※5。
急に倒れた・失神した
運動や興奮、咳のあとなどに突然倒れた場合は、倒れていた時間、体の動き、意識が戻るまでの様子を確認します。すぐに回復したように見えても、心臓や循環器系のトラブルが隠れていることがあります。直前の行動(運動・興奮・咳など)も合わせて記録しておくと受診時に役立ちます。
足を着かない・骨折が疑われる
転倒後に足を着かない、腫れや変形がある場合は、無理に歩かせず、けがをした状況を確認します。患部を自己流で固定せず、運び方も含めて動物病院へ相談してください。歩けていても骨折していることがあるので受診しておくと安心です。

足をつかないように、ぴょこぴょこと歩いたり、触られて鳴いちゃったりするのは「痛い」の合図ワン💦
頭を打った
転倒や落下後に頭をぶつけた場合は、意識、歩き方、嘔吐の有無、目の動き、瞳孔の左右差などを確認します。症状がすぐに現れないこともあるため、打った直後に異常がなくても念のため病院へ相談することをおすすめします。
様子がおかしい・落ち着かない
そわそわする、何度も体勢を変える、ぐるぐる歩き回る、隠れる、呼びかけへの反応が鈍いなど、症状名を特定できない場合は、呼吸・歩行・食事・排泄・痛みの有無を順番に確認します。「いつもとどう違うか」を言葉にしてみてください。それだけで獣医師に伝わりやすくなります。
尿が出ない
何度も排尿姿勢をとるのに尿が出ない、数滴しか出ないという場合は、最後に排尿した時刻、尿量、血尿の有無、嘔吐や落ち着きのなさがないかを確認します。放置すると短時間で全身状態が悪化する緊急性の高い状態です。
お腹が急に膨れた
腹部が急に膨らみ、吐こうとしても吐けない(空えずき)、よだれが増える、落ち着かないといった場合は、胃拡張・胃捻転などの緊急状態が疑われます。お腹の膨らみがいつから始まったか、最後の食事時刻、空えずきの頻度を確認しておきましょう。
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受診前に動物病院へ伝えること
病院に電話するときは、以下の項目を伝えると、到着前から獣医師が準備を整えることができます※6。すべてを正確に把握できていなくても構いません。わかる範囲で伝えてください。
夜間や休診日に備えて確認しておくこと

緊急事態はいつ起きるかわかりません。日ごろから備えておくことが、いざというときの判断と行動を助けます。
救急連絡先を手の届く場所に貼っておく
かかりつけの動物病院が夜間や休診日の緊急時に対応しているかどうか、あらかじめ確認しておいてください。対応していない場合は、地域の夜間救急対応病院の電話番号と住所を、救急箱や冷蔵庫など目につく場所に貼っておくことをおすすめします。
移動手段を確認しておく
自家用車がない場合や夜間の移動が難しい場合に、ペット対応のタクシーや協力してくれる家族・知人の連絡先を控えておくと安心です。緊急時に慌てて探すことのないよう、平常時に確認しておきましょう。
愛犬の情報をまとめておく
愛犬の検査結果、既往歴、現在の服薬リストなどをまとめておくと、緊急時に病院でスムーズに伝えられます。持病がある犬ちゃんは特に、薬の名前と用量を書き出したメモを救急箱に一緒に入れておくと役立ちます。定期的に内容を更新しておきましょう。

他にも、どんなご飯をどれくらい食べているか、うんちの状態や回数、お散歩はどれくらいしてるか、なんかも書いておくのがおすすめワン🐾💩
救急箱を用意しておく
清潔なガーゼ、自着性の包帯、直腸で測る体温計、生理食塩水などの基本アイテムを用意しておくといざというときに役立ちます。半年に一度は中身を点検して、期限切れのものを交換してください※3。
急変時の方針を家族と話し合っておく
老犬や慢性疾患のある犬ちゃんの場合は、急変時に心肺蘇生(CPR)を希望するかどうか、生活の質(QOL)を優先するかどうかについて、落ち着いているときに家族で話し合い、かかりつけの獣医師とも方針を共有しておくことが大切です※7※8。いざという場面での意思決定を、その場の混乱の中ではなく、日常の穏やかな時間の中で整えておくことが、犬ちゃんと家族の双方にとっての備えになります。
まとめ|迷う症状は電話相談を含めて早めに確認
老犬は体力の低下や持病、複数の薬の影響が重なり、症状が小さく見えていても体の内側では深刻な状態が進んでいることがあります。「少し様子を見てみよう」という判断が、あとから悔やまれることのないよう、迷ったときは電話一本を早めにかけてほしいと思います。
緊急時に最初にすることは病名の特定ではなく、犬ちゃんを安全な場所で安静にさせ、飼い主様自身が落ち着いて獣医師に状況を伝えることです。完璧な情報でなくていい、どんな時間帯でも気にしなくていい。「なんかいつもと違う」と感じた、そのひと言から電話を始めてください。それが何よりも大切な行動です。
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【参照情報】
※1 犬が急にぐったりする原因7選|今すぐ確認すべき症状と対処法【獣医師解説】 – アロハオハナ動物病院
※2 犬の呼吸が速い・荒い|病気10選と受診の目安 – アニホック動物医療センター 小平病院
※3 ペットの救急箱 常備すべき10アイテム【獣医師監修】 – ペットドック
※5 【獣医師が解説】犬のけいれん発作が起きたときに考えられる原因と対処法 – はやし犬猫病院
※6 緊急対応と動物看護師 第1回 〜電話トリアージ〜 – VECCS BLOG


